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岐阜県を代表する銘菓であります金蝶園饅頭は、「水の都」大垣の地下水をふんだんに使ってさらした餡を独特の製法による酒元種で包んだ郷土の代表銘菓です。
あっさりとした甘味と、ほんのりと酒の香りがするこの饅頭は、古来より人々の舌を魅了し、今もなお愛され続けています。
「水の都 大垣」が水の豊富なことを活かし、炊き上げた北海道産小豆を何度も地下水で晒してあくを抜いた生餡をすっきりした甘味の北海道産甜菜糖で炊き上げています。素材と製法にこだわり、あのあっさりと口解けの良い餡が出来るのです。
酒元とは饅頭の元となるどぶろくのようなものです。毎日休むことなくもち米のおかゆに麹を加え、仕込む訳ですが、その時必ず前日の酒元を加えます。酒元の中の菌は生きています。このように毎日継ぎ足して仕込むことによって代々変わらぬ味が生き続けていくのです。
金蝶園饅頭の特徴は所々餡が透けて見える皮の薄さです。機械包みでは出せない風合いを残す為、職人が一つ一つ丁寧に包んでいます。また、包んでいる間も生地は休むことなく発酵を続けています。酒元を足したり小麦粉を足したりして生地を調整する訳ですが、手で包むことにより生地の具合を見極めているのです。
金蝶園饅頭の皮には添加物も砂糖も一切入っていないため、早く固くなってしまいます。やはり出来立てが一番美味しいのです。金蝶園総本家は出来るだけお客様に出来立ての饅頭を召し上がっていただきたい為、作り置きはしません。様子を見ながら一日に何度も作っています。
金蝶園饅頭を作るには非常に時間がかかります。仕込始めから仕上がりまで約2日半、その間3回の発酵を経てようやく金蝶園饅頭が出来るのです。酒元は生き物です。そして繊細です。気温・湿度等の変化に非常に敏感に反応するため、常に職人の経験に基づいた気配りが必要となります。手間はかかりますが安易に膨張剤・添加物等を使わず、今も150年前から伝わる製法をそのままに作り続けています。
酒元種本来の風味を大切にしておりますので、皮に砂糖や添加物等を使用しておりません。
そのため皮は固くなりやすいのですが、そのままでも美味しく、また、蒸したり焼いたりしていただくか、電子レンジで温めてお召し上がりくださいませ。
古くから大垣は良質な地下水が豊富な事から、水の都と言われています。この名水によって明治時代の初めに生まれたのが、大垣名物「水まんじゅう」です。
冷たい地下水に漬けて冷やすよう、葛に水に強いわらび粉を混ぜ、柔らかく炊き上げた生地を陶器のお猪口に流して固めたものです。
あっさりとした餡の甘さとつるりとした食感が特長で、店頭の水槽の中、お猪口に入った水まんじゅうが冷やされる姿は水の都大垣の夏の風物詩となっています。
定番のお味、こし餡、抹茶餡の他に、月替わりで季節のフルーツ餡の3種類をご用意しております。
旬の果物を使用したその月替わりの水まんじゅうです。
4月から9月にかけて6種類のフルーツ餡をご用意しております。この機会に是非、ご賞味下さいませ。
4月 いちご餡 | 5月 夏みかん餡 |
6月 あんず餡 | 7月 桃餡 |
8月 パイナップル餡 | 9月 いちじく餡 |
大垣藩出身の蘭学者、宇田川榕菴が「珈琲」という字を創り出したことにちなみ、大垣名物の水まんじゅうにもコーヒー味が登場しました。
お好みでコーヒーフレッシュ、又はミルクをかけても美味しく頂けます。
おいしさは、原材料、技術、真心が三位一体となって生まれます。
おいしいお菓子づくりには、お客様に楽しんでいただくために、
安心で安全な素材を探し、自然の恩恵を受けた旬の食材を生かし、厳選した天然の素材を使用し、
丁寧にひとつひとつ手作りで仕上げております。
和菓子を通じの心の懐かしさ、やすらぎを求め、誰からも愛される和菓子の老舗として、精進してまいります。
弊店は美濃十万石の城下大垣に寛政10年(1798年)初代喜多野弥右エ門が菓子処「舛屋」を創業してより当代で7代目にあたります。大垣はその昔6つの川が市内をアミの目のように流れ"水の都"といわれました。
水がいいことは今も有名で、2代目弥三郎は、この水にあった菓子をつくろうと、京で修行を修め、古来より饅頭に種々研究改良を加えて、安政2年(1855年) に独特の製法で現在の岐阜県を代表する銘菓であります金蝶園饅頭を創り出しました。
当時戸田家の御用商人の間では茶道が盛んでしたので藩の茶会菓子としてこの酒饅頭を献上いたしましたところ、大垣藩の家老小原鉄心より「大垣の水に合う茶の味はこの菓子」というおほめの言葉をいただきました。
その後屋号も現在の「金蝶園総本家」となり、ひたすら銘菓づくりに専念してまいりました。
これからも、一同心を合わせ風格あるお菓子調整に努力してまいる所存でございます。